戦後史を、思想的言語獲得の空間と捉えれば、戦争責任追及の問題が国民的課題としては、この戦後史の空間にほとんどすっぽりと抜け落ちている、といわねばならない。この、戦争責任の問題を含め、戦争からの伝言を戦後史の中にみつけたい、というのが私の本文を書く願いなのである。(一章より)
解説文:鈴木比佐雄 |
A5判/416頁/ソフトカバー |
定価:2,160円(税込) |
発売:2011年4月22日
【目次】
一章 戦後史の言語空間
1 審判の構造
2 餓死について
3 餓え(続)
4 『野火』
5 氷について (石原吉郎と鳴海英吉)
6 氷について (続)
7 通路
8 最後の戦闘機
9 戦争責任
10 蚤の跳梁
11 頂点
12 頂点―(権威と権力)
13 戦争勃発の原因
14 戦後からの声
二章 ニューギニア戦
ニューギニア戦 前文
ニューギニア戦 1(砲撃)
ニューギニア戦 2(山越え)
ニューギニア戦 3(飢餓)
三章 戦後文学
戦後文学 1
戦後文学 2
戦後文学 3
戦後文学 4
戦後文学 5
四章 詩人たち
詩人たち 1
詩人たち 2
詩人たち 3
詩人たち 4
詩人たち 5
五章 詩論
戦後精神の軌跡 吉原幸子論
真壁仁論 ―野の詩人―
鳴海英吉論
六章 詩篇
詩集『祖父が少年だった時戦争があった』
はじめに
黒 潮
断 然
一九三七 ・一二 ・一三
照 準
戦 場
赤 弾
一九四一・一二・八
餓 島
蜂の巣
一九四四 ・一〇 ・二五 レイテ沖海戦
一九四五 ・三・九から三 ・十の朝まで
地獄の火の鳥
上野駅前
ヤマダイスズ
バッタ
敗戦の日
処 刑
長編詩 雲の記憶 ―厚木航空基地1945年―
一、引地川
二、松の記憶
三、雲の記憶
四、海の記憶
五、闇の記憶(1)
六、闇の記憶(2)
七、ふたたび引地川
七章 歌集 鏡
八章 童話・少年小説
おじいちゃんはサラサーテがすき
岡の上の塔
九章 歴史小説 激流の端
十章 自伝
葛飾に住んで
葛飾に住んで2
解説 戦争責任論と戦後思想の構造を明るみに出す人 鈴木比佐雄
あとがき
森徳治 年譜
初出一覧